須賀敦子全集2 須賀敦子全集2

須賀敦子さんはまったく知らんかった。新幹線の帰りに暇つぶしに買った週刊誌の書評欄にあって買って読んでみたのだけれど久しぶりに素敵な作家に出会えたというか 、もう亡くなってずいぶん経つのだろうけれど講演会でも何でも一度お目にかかりたかったと思う。

透徹な文章とかいろいろあろうが、本人は良いところのお嬢さんでイタリヤで精神の旅を続け左よりの鉄道員の息子と結婚し、赤貧の中、本人の知性と知人に恵まれ、精神的に豊かな日常を過ごし 夫と死別し、ひとり帰国し、長く大学講師を続け、大学教授となり、僅かな作家生活で生涯を閉じてしまう。

利他的というかそういうことがキリスト教の一精神と考えたいが、そうではないクリスチャンも沢山いようが、しかし筆者が幼いころ通った目黒の教会に基盤としてあったと感じていたその精神は この人だったのではないかというか
書店の仲間たちとの活動の充実、若さの脆弱性は筆者も冷静に結論付けているけれど、それはビートルズに始まる喧嘩別れのバンド活動にも当てはまるというか、大学の文科系サークル活動にも当てはまるというか 勿論、活動が過激さを増していき、ついていけん状態になるのは日本の左よりの状況にも似ているのやろう。精神の旅というのはビートルズから始まったわけではなく、若い意識的な人が古代から連綿と繰り返してきたことなのやろう。

須賀敦子さんの全集は8巻で終わりらしい。読書なんてしなくなって久しかったけれどほっとくとどんどん利己的になっていくいやな自分を引き止めてくれる人に久しぶりに会えたような気がしている。 

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